てしおにかけた野菜作りの裏側をお届け【tesio MAGAZINE001】

てしおにかけた野菜作りの裏側をお届け【tesio MAGAZINE001】

みなさんこんにちは。

7月も終わりを迎える頃、早朝畑に向かうと裸足で黙々と草むしりをする麦わら帽子の男性が。

今日はtesio FOODSの野菜づくりをされている杉山孝尚さんにお話を伺いました。

ー 裸足で畑に入る男 ー

裸足で大丈夫なのかと聞くと、「スリランカに行った時に、現地の方が裸足で畑仕事をしてたんです。彼らに理由を聞くと、畑には神様がいるから土足厳禁なのだそう。それに感銘を受けたのもあるのですが、素足で土を踏み締めると土壌の乾燥具合や温度を感じられるので、土の状態に敏感になれるんです。それに、日が高くなってくると足の裏が熱くて仕方がなくなるので、実は熱中症の危険サインとしても機能してるんです」と教えてくれました。いきなり土へのリスペクトとこだわりを感じました。

ー 毎日試行錯誤を繰り返す土づくり ー

「正直、最初はお金がなかったから、野菜をつくる肥料が買えなかったんです。お金をかけない方法を探していくうちに昔ながらの自分で肥料をつくる方法を学びました」と杉山さん。海藻が肥料になり、土づくりにつながることを知ったかつての杉山さんは、知人の漁師に相談すると、海藻はアサリ漁の邪魔になるから、撤去してくれるならタダであげるよと教わったそう。早速自分で回収して、乾燥させて土に混ぜてみたり、牡蠣殻を砕いて混ぜ込んでみたり…でもそのままだと虫がわくので焼いて粉砕したり…と、常に試行錯誤してきました。「肥料を買うこともあるが、市販のものは不要な成分も入っていたりするから、天然由来の成分を混ぜて、土壌のph値を気にしながら、単肥(たんぴ)と呼ばれる肥料やオリジナルの肥料を使って土をつくっています。近年、気温の上昇で海藻が手に入らなくなったり、牡蠣も不漁も続いたりで、手に入る天然の肥料も変わります。日々変わり続ける土壌の状態に適した肥料を考え、手に入れて畑に入れてみる、その試行錯誤の繰り返しで、毎日チャレンジすることが楽しいです」と、杉山さんは笑って答えてくれました。

ー 2025年の白菜は、ひまわりで土づくり ー

「今年はとても暑いので、土を乾燥させすぎないよう工夫をしています。そのためには、保水力の高い土のセンイを作ることが大事。今年はそのセンイをつくるために例年は麦を使っていましたが今年はひまわりに変えてみました。イネ科が良いとされるのに対し、ひまわりはキク科ですが、意外とこれがいいんです。花が咲いて畑も綺麗で、気分が上がりますね。近年、種の値段が上がっているから実はペット用の種を使っていますが、見た目は変わらないし、これもチャレンジ。綿密な計画を立てて、実験をしながら、計測し、試行錯誤をしながら土づくりをしています」と、酷暑にも負けずに話す杉山さんでした。

ー 懸命に、てしおにかけて ー

汗をぬぐいながら杉山さんが語ってくれました。「今年は暑いから、植え付けは10月中旬くらいになると思います。今の段階(※取材当時は2024年7月)では、白菜の品種からじっくり選んで、てしおにかけて土をつくることに力を入れています。僕にできることは、懸命にやるだけ。皆さん、楽しみにしていてください」

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