みなさんこんにちは。
今回はvol.003に引き続き、tesio FOODSのレシピ開発を担っていただいている、レストラン”薫HIROO”のシェフ 次広哲司さんにお話を伺いました。
tesio FOODSとの出会いなどについてお伺いした前回でしたが、今回は次広さんの料理哲学も深掘りしてみたり。
tesio FOODSのおいしさの裏側を少し覗いてみてください。
ー “とことん”から生まれた、料理人”次広哲司” ー
そもそもどうして料理人になろうと思ったんですか?tesio FOODSメンバーの純粋な疑問から、話は意外なところに広がります。
「実は僕は20年ほど前、スポーツライターになりたくて東京に来たんです。ずっと野球をやっていたのでスポーツマスコミに興味を持ち始めたんですが、スポーツマスコミは欲しい答えありきでインタビューをして、本意が伝わる記事を書いてないことがすごく多いのが悔しくて、本物を掘り下げて伝えるスポーツライターになりたかったんです。
雑誌"Number"に連載を持つ、世界一のスポーツライターに。そのために大学に通っていたのですが、同時に始めた飲食バイトにもすごくのめり込んでしまったんです(笑)ただのバイトだったのに、配膳の仕方や接客時の声掛けなど、色々気になってしまって社員さんに意見したり、当初夜のみのバイトだったのにランチにも入るようになったり、その結果あまり大学にも行かなくなってしまいました。このタイミングで料理への思いが強くなり、スポーツライターの道ももちろん捨てきれない自分もいましたが、料理人の道を選んで専門学校に通うことにしたんです」
まさか、次広さんがスポーツライターと料理人の二択で迷っていたとは。驚くと同時に、スポーツライターを目指していた時代は”世界一”を狙っていたことから、次広さんの”とことんさ”が伺えました。
「専門学校に入ってからは、大学時代は迷っていたからこそちゃんとやろうと決め、とことん突き詰めました。例えば、クラスで1番早く学校に来て、授業が始まる前にクラス全員分の作業台のセットを毎日していました。誰かと同じことをやっても同じ結果になるだけだと思いますし、このスタイルを貫けてよかったと今でも思います。」と、濃い専門学校時代を語る次広さん。一流の人は努力を積み重ね続けて突き詰めることを当然にしているんだと感じると、素晴らしい人に関わっていただけているんだと改めて感銘を受けました。
ー 料理人は、信頼と思いを繋ぐアンカー ー
そんな次広さんの料理哲学についてお伺いしてみました。
「どんな素材で構成されているかがわかる料理にしたいと常に考えながら料理を作っています。インスタでよく流れてくるようなモダンな料理は、興味を惹かれるような見た目をしていても『何でできているんだろう?』とつい感じてしまうものがたくさんあります。もちろんそれもそれですごいのですが、そもそも料理とは生産者がいるからこそ成り立つもので、素材の味わいが他の何かに邪魔されることなくお客さんの舌の上でクリアに伝わるということが、生産者への恩返しであり、リスペクトを表現する方法だと僕は感じています。こういう考えを持っているからこそ、信頼できる人から仕入れられる素材を使いたいと思うんですよね。
同時に、僕らはお客さんから信頼されているからこそ、お金を払って料理を食べていただいているとも思っています。レストランって不思議ですよね、だって他人が触って調理したものを食べているんですから。だから、僕としては料理は、信頼と思いが生産者からお客さんまで繋がっていくリレーみたいなものだとも考えています。生産者、輸送業者、卸業者がいて、最後に料理人がアンカーみたいな感じ。皆さんがどれだけ素晴らしいことをやってきても、料理人の僕らがバトンを落としたら台無しですよね。全員のこだわりや努力を背負っているからこそ、僕らの気持ちも入りますよね」
一つのリレーを繋ぐtesio FOODSに携わっているということがわかると、自分の仕事が途端に尊いものに思えてきたtesio FOODSメンバー。ますます、多くの人に届けたいという気持ちが湧き上がります。
tesio FOODSでは、レシピを考案してくださっている次広さん。”アンカー”という立場ではなくなりますが、どのような気持ちで関わってくださっているのでしょうか。
「tesio FOODSでも、思いは同じですよ。アンカーが第3走者になっただけ。それぞれの立場が全力を出して役割を果たしているというのは同じだからこそ、レシピで思いを繋いでいます」と、それまでと表情を変えず淡々と答えてくださりました。
tesio FOODSに関わってくださっている皆さんは、他者に対するリスペクトの言葉が当然のように出てくるのが印象的ですね。
ー僕だから、今年だからこそできるtesio FOODSをー
今年のtesio KIMUCHIは、カツオの粉末を土に有機肥料として入れており、カツオに含まれるアミノ酸が浸透して白菜に入り、また違う味わいになることが予想されます。そんな白菜を使った今年のtesio FOODSの取り組みに対して、意気込みを聞いてみました。
「白菜が出来てみないとわからないことはもちろん多いが、日々料理に対する感覚も変わりつつあるし、僕も毎日進化をしています。杉山さん、松本さん、そして僕だからこそできる、今回だけのtesio FOODSを作っていければと思います」
日々進化を遂げる次広さんのレシピがますます楽しみになりました!
今回で次広さんのインタビューは終了。
1月号は元旦に、tesio FOODSの創設者である
株式会社PMA代表取締役 山口善彦の
インタビューをお届けする予定です。
ぜひお楽しみに。